自動車リサイクル預託金×消費税

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本日の内容は「自動車リサイクル預託金×消費税」です。

まずはリサイクル預託金の概要について教えて!

平成17年1月1日より、自動車リサイクル法が施行されました。
これにより自動車の利用者は、自動車が廃車になった際に生じるリサイクル料金をあらかじめ負担することが義務付けられました。
平成17年1月1日以降に新車を購入した場合は購入時に、以前から所有していた自動車がある場合は最初の車検時または廃車時にリサイクル料金を支払うことになります。このリサイクル料は資金管理法人に預けられ、最終的にその自動車が廃車されるときにリサイクルをする業者に払い出しされます。

以下、初めて支払った際、中古車売買の時、廃車の時に分けて、処理方法を解説していきます。

初めて支払った際の取り扱い(新車購入時、車検時)

リサイクル料金は下記の通り区分されています

経理処理 消費税
(1)シュレッダーダスト料金 預託金 課税対象外
(2)エアバック類料金
(3)フロン類料金
(4)情報管理料金
(5)資金管理料金 支払手数料 課税仕入れ

(1)から(4)の料金は、廃車時まで資金管理法人で管理されますので「預託金」として資産計上し消費税の課税対象外取引となります。(5)の資金管理料金は、資金管理法人で使用される費用ですので、支払時に費用計上することが可能であり、消費税については支払時に課税仕入れとなります。

仕訳例:初めて支払った際の取り扱い(新車購入時、車検時)

借方科目 消費税 借方金額 貸方科目 消費税 貸方金額 摘要
車両運搬具 課税仕入 1,000,000 現金預金 対象外 1,000,000 XYZモーター AT100購入代金
預け金 対象外 10,000 現金預金 対象外 10,000 自動車リサイクル シュレッダーダスト料金等
支払手数料 課税仕入 300 現金預金 対象外 300 自動車リサイクル 資金管理料金

中古車売買時の取扱い

すでにリサイクル料金が支払われている自動車を売買した場合、自動車の譲渡代金とともに必ず預託金(リサイクル料金)も譲渡されます。ただし、預託金は金銭債権に該当しますので、消費税は非課税取引になり譲渡対価の5%(平成26年4月1日以降)が課税売上割合の分母に参入されます。
したがって譲渡代金とリサイクル料金とは別々に会計処理が必要となります。

仕訳例:初めて支払った際の取り扱い(中古車売買時の取扱い)

購入時

借方科目 消費税 借方金額 貸方科目 消費税 貸方金額 摘要
車両運搬具 課税仕入 900,000 現金預金 対象外 900,000 ABCモーター TA100購入代金
預け金 対象外 10,000 現金預金 対象外 10,000 リサイクル料金

売却時

借方科目 消費税 借方金額 貸方科目 消費税 貸方金額 摘要
現金預金 対象外 200,000 固定資産譲渡損 課税売上 200,000 ABCモーター TA100売却代金
固定資産譲渡損 対象外 300,000 車両運搬具 対象外 300,000 ABCモーター TA100売却代金
現金預金 対象外 10,000 預け金 非課税売上 10,000 自動車リサイクル料金

廃車時の取り扱い

使用済自動車を引取業者に引き渡した時点で、リサイクル料金は資金管理法人からリサイクル業者に払い出しされますので、資産として計上していた預託金を費用処理することになり消費税でもこの時点で課税仕入れとなります。

仕訳例:初めて支払った際の取り扱い(廃車時の取扱い)

借方科目 消費税 借方金額 貸方科目 消費税 貸方金額 摘要
固定資産除却損 対象外 300,000 車両運搬具 対象外 300,000 TA100廃車
雑損失 課税仕入 10,000 預け金 対象外 10,000 自動車リサイクル料金